To be Happier もっと幸せになるために

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ライフコーチとの出会い

私が初めてライフコーチと会ったのは、心理カウンセラーを4人試してからのことだ。離婚を迫られ、離婚の理由もわからず、そして何よりこれからどうすればいいのか、どう生活をしていけばいいのか、そして離婚したくないのにしなくてはいけない現実をどう受け止めて、どう対処したらいいのかわからなかった。


カウンセラーは正直、私が求めているものを与えてくれるものではなかった。

カウンセラーを試したことがある人ならなんとなくわかると思う。
カウンセラーは過去を聞く。患者が抱える問題の根っこがどこなのか、そしてその問題がきかっけで生じる行動(アルコール中毒や自虐的行為)を治すのが仕事だ。
案の定、私のカウンセラーも家族構成、両親の仲は良好か(離婚していないか)、どんな子供だったのか、などなど、現在よりも過去について質問をした。

 

個人的に賛同しないのは、寝れない食べれない事を話すと、「鬱の症状がでてますね。抗うつ剤を処方しましょう。」というのだ。
実際、私も勧められた。でも断った。そしてもう2度とこの人には会わないと心にきめて帰った。

 

私は抗うつ剤が悪いとは言わない。必要な人もいる。でも、なんでもかんでも“患者”にするのはどうかと思う。むしろ、人生でうまくいかない時期、どうしようもなく辛い時期というのは誰にでもある。それによって、寝れなくなったり、食べれなくなったり、仕事に集中できないというのはむしろ自然な反応だと思う。そして、それが「何か変えなくちゃ」というサインなんだと思う。

 

「普通の人生」を送っている人はいない。


両親が離婚していることの何が問題なのか?
少し他人と違うことの何が問題なのか?
生きてきて、何にもない人なんているのだろうか?
みんなと違うことがわるいことなんだろうか?
ケースバイケースだと思うが、自分がどうすることもできなかった過去をわざわざ持ってきて、見つめ直す必要は必ずしもないと個人的に思う。

カウンセラーが私に合わなかった理由。それは、私は目の前にある現実にどう対処していいのか、どう乗り越えるのかが知りたい。過去を掘り返している時間もお金もない、というのが大きかったと思う。

 

ある本をきっかけに、たどり着いたのが離婚専門のコーチ(divorce coach)だった。ライフコーチにも色々ある。彼女は離婚専門だった。

彼女とは電話だけのセッションで、会ったことはない。でも、私の人生の転換期をうまくエスコートする役割を果たしてくれた。
彼女はなにひとつ過去のことは聞かなかった。家族構成、職業は何か、生活習慣はどうか。彼女が唯一聞いてきたのは、私がどうしたいのか。

 

“What can I do for you today?”(どうしましたか?)

私:“I want to get my husband back. He gave me a pile of divorce document, but I don’t want it. I even don’t know why he did it to me. I want to get him back.”
(夫との関係を取り戻したい。離婚に関する書類を渡されました。もちろん離婚なんてしたくありません。どうして離婚しなくちゃいけないのかもわかりません。とにかくもとの関係に戻りたい)

“You cannot change other people. I cannot help for that. What can I do for you?”
(他人を変えることはできません。だから、私はそれについて何もできません。さて、どうしましょうか?)

 

言葉がでなかった。「またか」と思った。また何も得るものがなく、お金の無駄だ、そう思った。

少し、沈黙が続いて、彼女はこう聞いてきた。
“What do you want? Do you want to be happy or do you want to stay at where you are now?” (あなたは何を求めているのですか?幸せ?それとも今ある現状にとどまること?)

もちろん私は「幸せになりたい」と答えた。
彼女は、”Ok. I can help for that.” (それなら力になれます)

 

そこから私達は何ができるのか、何をしたらいいのかを話し合い、私はそれを行い定期的に報告した。

4回めのセッションの後、彼女は「必要だったらまた予約して」と言った。今回は、「じゃぁまた来週」とか、「今度の時にどうだったか教えて」とは言わなかった。
それが彼女との最後のセッションだった。

 

自分のなかで何かが変わったことに気付き、「自分で歩けるかも」と思えた。
今になって思う。離婚専門のコーチングはそこで終わったんだと。私が次に進まなくてはいけなかったのは、これからの人生をどう自分で作っていくか。

 

それから、すぐに立ち直ったわけじゃない。自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、どうしたらいいのか、数年要した。
でも、私が向いている方向は未来だった。彼女に会う前の、過去ばかりを追いかけ、失ったものに毎日泣いて、悔やんで、恨んで、進めなかった私とは違う。

 

彼女は、何ひとつアドバイスをすることはなかった。常に、私が自分で考え、自分で行動できるように誘導してくれた。

彼女とのセッション後、数年が経った今、随分遠くまで来れるようになった自分にビックリする。自分がコーチになるなんて考えもしなかった。自分でビジネスを、それも日本ではなくアメリカでするなんて思いもしなかった。

 

「人生の壁」は未だにある。気がめいることも、苦しい時もある。でもそれは私だけじゃなく、全ての人が抱えるもの。コーチに会って、そしてコーチになって、一番の収穫はその壁に対しじっと我慢していつか消えるか慣れるかする日を待つのではなく、きちんと向き合って解消できるようになったことだ。

 

人生は短い。

 

この言葉が身にしみて感じられるようになるまでには、ちょっと年齢を重ねる必要がある。でも、感じられるようになったとき、5年先、10年先の自分が今と同じところにいるのか、それとも今より幸せに感じられるところにいるのか考えてみると怖くなる。焦ったりもする。
やらなくてはいけないことはたくさんある。だから、人生の困難とか障がいというものの前でじーっと時間を無駄にしている余裕はない。本当に大切なものに時間を使いたい。

コーチというものを知って、良かったと思う。

Yuki